こころねのうた

ほんねで歌いたい

2020-01-01から1年間の記事一覧

やくそく

おかあさん あしたはれたら そらをとぼうね おひさまに きょうはさよならしないでねって やくそくするから おかあさん あしたはれたら そらをとぼうね これは長男が三才の頃に言った言葉を元によんだ詩です。 不意に思い出され、残しておくことにしました。

七十一年

ここに集めた歌は二〇一六年、アメリカのオバマ大統領が広島へ来日した時の中継を見て、それをきっかけに家族で広島へ出かけた時のことなどを詠みました。短歌雑誌『歌壇』短歌賞にも応募してみましたが落選。その拙歌を拾い集めて加筆修正しました。落選で…

シラーズの少年-人権作文

平成三十年度 栃木県人権作文 応募作品 私の夫はイラン人です。来日して今年で二十七年目を迎えました。私が夫と出会って初めてイランという国を訪ねたのは、平成十五年でしたから、今からちょうど十五年前になります。そのとき、新婚旅行を兼ねてイラン国内…

心の垣根をこえて-人権作文

令和元年度 栃木県人権作文応募作品 心の垣根をこえて イギリスの作曲家のなかにアルバート・ケテルビーという人がいたのはご存知でしょうか。一番よく知られているのは「ペルシャの市場にて」という作品かもしれません。私が特に好きなのは「心の奥深く」と…

心の奥処(こころのおくか)

新型のウィルスによりて籠ること善しとされたる日を重ねゆく 日々に子の学びをたゆまず導ひてゆくこと難しいかにかはせむ 二人子の宿題見終えてまひるまに洗濯物を干す日もありぬ 『石上私淑言』読む耳の底我が肩の辺に師の声を聞く なつかしきにほひのする…

駱駝の性(らくだのさが)

四月より保育の仕事に就きにしが心は添はずなりにけるかも 小さき子の思ひにそひてやすらぎの保育はいかにと悩み始めり 目に見えて成りいづるものを見せたらむと逸(はや)る心の保育と思ほゆ 空(から)にして悩まずひたに仕事して馴れてゆかむと言ひきかす…

父のおもかげ

この作品30首は2008年第23回『短歌現代』(現在廃刊)新人賞に応募し次席入選した拙歌です。私の父は2002年に胃癌と診断され、手術するもその後転移、闘病の末、同年の冬55歳で他界しました。 西の山に日はあかあかと入りてゆく彼岸のゆふべ父おもほゆる 夜…

呼子鳥(よぶこどり)

この歌は2007年ころに短歌雑誌『短歌現代』(現在廃刊)の新人賞募集に寄せて創作したものを加筆修正した作品です。 不妊に悩んでいた当時の思いは忘れがたく、上げました。その頃の私は原稿用紙の書き方を完全に理解しきれておらず、選考の段階で没にな…