こころねのうた

ほんねで歌いたい

2021-01-01から1年間の記事一覧

筑波 雁がね

井上井月(せいげつ)の歌曲「雁がね」を聴く 雁がねのしらべ美し伊那谷にたゆたふ思ひ沁みてすべなし 万葉の人のこころね知りたきに雁がねのうた読み広げゆく いにしへに筑波の山を越えてゆく雁がね恋ほし青き空見ゆ 実りたる稲田を過ぎておほどかに聳ゆる筑…

息ながく

ウイルスを取りこむ我れが二人子と保育する子にうつす夢みる 横浜へ行くことを我れがあきらめて夫(つま)のこころは安らぎたるらし くもりたる朝(あした)の庭にしらじらと二匹の蝶が空へ舞ひゆく なぐさみにながむる庭の撫子の白き花こそにほひたちくる 演奏…

真の春(まことのはる)

初春に 千両の朱きを飾らむあたらしき丑の年神迎え入れたし 自粛するこの正月は残りたる栗きんとんをわれ一人食(お)す 思川 深々と情(じょう)に棹差し流されて沈みゆく身のたづき知らずも わたくしの能(あた)ふかぎりに二人子をはぐくみ糧を得る術ぞ欲し …