こころねのうた

ほんねで歌いたい

2020-04-01から1ヶ月間の記事一覧

心の奥処(こころのおくか)

新型のウィルスによりて籠ること善しとされたる日を重ねゆく 日々に子の学びをたゆまず導ひてゆくこと難しいかにかはせむ 二人子の宿題見終えてまひるまに洗濯物を干す日もありぬ 『石上私淑言』読む耳の底我が肩の辺に師の声を聞く なつかしきにほひのする…

駱駝の性(らくだのさが)

四月より保育の仕事に就きにしが心は添はずなりにけるかも 小さき子の思ひにそひてやすらぎの保育はいかにと悩み始めり 目に見えて成りいづるものを見せたらむと逸(はや)る心の保育と思ほゆ 空(から)にして悩まずひたに仕事して馴れてゆかむと言ひきかす…

父のおもかげ

この作品30首は2008年第23回『短歌現代』(現在廃刊)新人賞に応募し次席入選した拙歌です。私の父は2002年に胃癌と診断され、手術するもその後転移、闘病の末、同年の冬55歳で他界しました。 西の山に日はあかあかと入りてゆく彼岸のゆふべ父おもほゆる 夜…

呼子鳥(よぶこどり)

この歌は2007年ころに短歌雑誌『短歌現代』(現在廃刊)の新人賞募集に寄せて創作したものを加筆修正した作品です。 不妊に悩んでいた当時の思いは忘れがたく、上げました。その頃の私は原稿用紙の書き方を完全に理解しきれておらず、選考の段階で没にな…